ゴールデンウィークも終わり、本格的に仕事に戻った途端、
びっくりするニュースが入ってきました。
昨年の秋に東証マザーズに上場したばかりの㈱エフオーアイに
対して、証券取引等監視委員会の強制調査が入ったと
報道されています。
容疑としては、上場時の有価証券届出書において架空の
売上高を計上し、売上高を水増ししていた疑いとのことです。
現在調査中ですからまだはっきりしたことは言えませんが、
個人的には容疑の内容が細かい粉飾ではなく、売上の架空
計上である点で、驚きを隠せません。
同社の財務諸表を見てみると、売掛金が非常に多いことが
目立ちます。
確かに取引先との関係で回収サイトが長いなどの個別の
理由もありますが、それにしてもこの売掛金の多さは、
ある程度の会計知識を持つ人間であれば誰が見ても嫌でも
目に付くレベルです。
当然、新規上場に際して主幹事証券会社・監査法人・取引所
など複数の専門家の目で審査された際にも、最大の論点として
慎重にチェックされたはずです。
それほど分かりやすい論点であるにもかかわらず、また
架空売上の計上=売掛金の増加という代表的な粉飾の手口で
あるにもかかわらず、それら全ての審査を通り抜けて上場して
しまったのだとしたら、これはよほど巧妙な粉飾だったと
いうことになるのでしょうか?
まだ事実かどうか分かりませんし、詳細は全く分かりませんが、
これが仮に事実だとすると、非常に残念なニュースです。
新興市場はライブドアショック以降、長期的に低迷が続いて
いますが、最近の株価の動きを見ていると好材料に反応しやすく
なっていたり、業績の良い会社の株価が上がっていたりと、
一時の最悪期を脱出した感がありました。
こういった報道によって新興市場全体に対する信頼性が失われ、
せっかく良くなりかけていたムードが再度悪い方向に向かって
しまわないことを祈るばかりです。